札幌市圏における鉄道相互乗入れに関する検討(その6)

6.札幌市営地下鉄における相互乗り入れ

札幌市営地下鉄とJR北海道とは,交通機関としての位置づけは異なります。図21に示すように,JRは,大・中量の中距離輸送を受け持ち,札幌市営地下鉄は,中量の中・短距離輸送を受け持つもので,基本的には,それぞれの役割を補完するものです。

それぞれの役割を補完することにより,旅客の利便性が高まり,地方都市における鉄道・バスの最大の競争相手である乗用車利用者の交通手段を札幌市営地下鉄・JRへ変えることになります。その結果が,札幌市の活性化とCO2の削減に繋がるのです。
以下に,札幌市営地下鉄とJRとが互いに補完し合い,共存共栄することを念頭において,札幌市営地下鉄における相互乗り入れとして可能性のある方法を以下に示します。
なお,相互乗り入れの可能性のある箇所として,図21に示すように,
南北線麻生駅から札沼線新琴似駅方面への延伸
東豊線栄町駅から札沼線百合が原駅方面への延伸
東西線宮の沢駅から函館本線手稲駅方面への延伸
東西線新さっぽろ駅から函館本線森林公園駅方面への延伸
の4箇所があります。

○相互乗り入れ方法
(1)鉄道総研案
パリ地下鉄の台車を参考にした鉄道総研案が,輸送量がある程度見込め,乗り入れの時間も短くできる方法です。軌道走行時は金属車輪で車体荷重を受け持ち,地下鉄走行時にはゴムタイヤで車体荷重を受け持つ構造で,軌道走行時と地下鉄走行時の切り替えは,ゴムタイヤを上下することにより行います。
なお,動力車の軌道走行時と地下鉄走行時の金属車輪とゴムタイヤの切り替えが困難であったり,給配電関連で,同じ動力車を両者に用いることが難しいのであれば,動力車は機関車方式とし,切り替えは客車のみ行う方法もあります。また,給配電ということに関しては,鉄道総研で開発しているようなバッテリートラムの適用も考えられます。この方法には,新しい台車の開発等の検討課題があります。
(2)DMV方法
JR北海道が開発していたDMVを適用する方法です。DMVを複数車両連結して運行する方法で,地下鉄走行時はゴムタイヤを駆動輪として走行し,軌道走行時は機関車方式で走行するものです。従って,DMVと異なり,軌道走行時はゴムタイヤの後輪を駆動輪としません。なお,DMVに給電装置を装備したり,地下鉄において,DMVへの配電が難しいのであれば,バッテリートラムとする方法もあります。この方法には,地下鉄に合わせた台車の検討やモードチェンジ部等の設備投資が必要となります。
(3)対面ホーム方法
地下鉄のJRが連結する駅に対面ホームを設置し,相互乗り入れをする方法です。直通運転ではありませんが,対面ホームにすることにより,乗換時間を限りなく短縮し,乗換の抵抗を少なくするものです。
この方法は,現在運行している車両をそのまま使用できるメリットがありますが,ホーム等の設備投入費が必要となります。

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