札幌市圏における鉄道相互乗入れに関する検討(その1)

1.はじめに

札幌観光のため,新千歳空港からJRと地下鉄を乗り継いで宿泊地の“すすきの”まで行こうとすると,JR札幌駅・地下鉄さっぽろ駅構内の階段はもちろんのこと,JR札幌駅と地下鉄さっぽろ駅との連絡通路の階段(図1)が大きな旅行鞄を抱えた旅行者にとって難所となります。札幌への玄関口なのだから,エスカレータを整備する等,もう少し優しいアクセスにならないものかと思います。観光客にとって,JRと地下鉄の区別はなく,目的地に快適かつスムーズに到着できれば良いのです。
北海道においては,北海道新幹線が2016年3月に新青森・新函館北斗間が開業し,2030年度末までに札幌駅に乗り入れる計画であり,札幌市には観光客が益々増加すると予想されます。その増加する観光客に対して優しいアクセスを提供するとともに,北海道の最大都市である札幌市の今後の発展と北海道民のためにも,札幌市における都市鉄道の整備が重要です。
札幌市には,2つの異なる方式の鉄道(札幌市営地下鉄とJR北海道)があります。この二つの鉄道を相互乗入れのように有機的に結びつけることが札幌市の発展に重要な役割を果たすと考えられます。
そこで,2つの鉄道を有機的に結び,優しいアクセスを提供する一つの手段である相互乗り入れについて検討したので紹介します。なお,2つの鉄道のうち,JR北海道の鉄道は,日本では一般的な鉄車輪を用いた車両による鉄道ですが,札幌市営地下鉄は,ゴムタイヤ式車両を用いた札幌独自の鉄道です。

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