はじめに

構造解析技術には、手計算で行う材料力学から、コンピュータを用いて数時間、数日も要して解を求めるような3次元有限要素解析まで様々なものがあります。
特に近年のコンピュータの進化に伴って、解析は身近なものになり、多種多様な解析技術、解析ツールが開発されています。
現代の構造設計者はこのような環境の中、何らかの解析技術を用いて設計の妥当性を確認することが求められます。
このとき、多くの設計者は、材料力学であれば学生の頃の記憶をもとに解を導き出すことはできると考えられます。しかし、解析ソフトウェアを用いる場合に
は、ソフトウェアの操作方法を学ぶのに留まり、どのような理論のもとに解析を行なっているのかを理解している設計者は少ないと考えられます。

構造設計者にとって、必ずしも解析理論を熟知している必用は無いのかもしれません。しかし、解析理論を感覚的に認識しておくことは、多種多様な解析手法
があるなかで、直面する問題に応じて適切な手法やツールを選ぶ手助けにもなるし、解析の妥当性を確認するうえでも重要な感覚であると考えられます。
また解析理論を認識していない場合、適切ではない手法による解析を行ない、その結果を信じて危険な設計を行なうことも考えられます。

本講座では、このような観点のもとに、身近な解析手法の理論を学ぶことにより、構造解析結果を感覚的に考察できる技術者の育成を行うことを目的として進
めていきたいと考えています。

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